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白馬村の民泊規制:冬季の営業制限と旅館業許可・簡易宿所の違い

執筆 Hakuba Land編集部(Gemini株式会社)公開

カテゴリー: 税金・法律・ビザ

森に囲まれた白い外壁の宿泊施設「500 MILES HAKUBA」の外観(自社撮影の空撮)

白馬村で別荘を貸す場合、民泊(住宅宿泊事業)は年180日が上限です。

さらに長野県の条例で、神城・北城の一部区域では12月1日〜翌年3月31日の営業が制限されます。事業者が届出住宅と同じ建物内・敷地内、または隣接する住宅に現に住み、宿泊中に不在にしない場合や、住宅宿泊管理業者が同様に駐在する場合は対象外です。

制限区域で例外に当てはまらず冬季に営業したい場合や、年180日を超えて貸したい場合は、旅館業法の許可(旅館業許可)を検討します。冬季制限の例外に当てはまっても、年180日の上限は変わりません。

なお、Airbnbなどは予約サイトで、許可の種類ではありません。宿泊料を受けて人を泊めるには、民泊の届出か旅館業の許可が必要です。

購入・設計前に、次の点を確認してください。

  1. 物件の住所が冬季の制限区域に入るか、例外に当てはまるか
  2. 民泊の「住宅」に当たるか、年180日で計画が成り立つか
  3. 冬季制限で予定どおり営業できない場合や180日を超える場合、旅館業許可(建物の用途・消防・立地)が取れるか
  4. 許可のある宿を買うなら、承継の手続きと期限(事業譲渡契約の効力発生前)を保健所に確認したか

保健所への相談には、物件の住所、既存の図面、予定する間取りと定員を用意します。許可のある宿なら、現在の許可証と変更届の記録も取り寄せます。

この記事は一般的な情報で、法的助言ではありません。個別の物件は保健所や専門家に確認してください。

白馬の民泊規制:冬に営業が制限される区域と期間

住宅宿泊事業法は、都道府県が条例で区域と期間を定めて民泊を制限できるとしています(第18条)。長野県はこれに基づく条例と施行規則で、白馬村について次のように定めています。

項目白馬村での内容
対象区域大字神城のうち付表第6の区域、大字北城のうち字倉下と付表第7の区域
制限期間12月1日から翌年3月31日まで
対象外事業者が届出住宅と同じ建物・敷地内か隣接する住宅に住み、宿泊中に不在にしない場合。委託を受けた住宅宿泊管理業者が同様に駐在する場合(施行規則 別表第6の備考。条例第6条第1号・第2号の場合)
根拠条例第5条(表の7の項)、施行規則第7条・別表第6とその備考

出典:長野県住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例、同施行規則、制限区域の概要

区域は施行規則の付表第6・第7で、村道の番号や姫川・平川などの川で囲んだ範囲として書かれています。地名だけでは判断できないため、物件の住所で保健所に確認します。県は令和7年4月1日に制限区域の一部を追加・廃止しています。

ほかに、学校(大学を除く)・幼保連携型認定こども園・保育所の敷地の周囲おおむね100m以内は、県内一律で月曜〜金曜(休日と、その学校等の長期休業期間を除く)が制限されます。

白馬村はこの制限を解除した市町村に入っていません。住居専用地域の平日制限は、用途地域の指定がない白馬村では当てはまる区域がありません。

民泊と旅館業許可(簡易宿所)の違い

観光庁は両制度の違いを、旅館業は「年間の営業日数に制限はないものの、立地が制限され」、民泊は「立地が制限されない代わりに年間の営業日数が180日以下に制限される」と説明しています。これは法律の枠組みの説明で、長野県では前述のとおり条例で区域と期間が制限されます。白馬の別荘で比べると次のとおりです。

項目民泊(住宅宿泊事業)旅館業許可(簡易宿所営業)
手続き届出(開始日の前日まで)保健所長の許可(申請手数料24,000円)
年間の営業日数180日まで上限なし
白馬の冬季制限指定区域は12/1〜3/31制限(例外あり)民泊の条例は適用されない
建物の扱い建築基準法上も「住宅」ホテル・旅館の用途
家主が住まない場合原則、住宅宿泊管理業者への委託が必要許可を受けた営業者が営業する

簡易宿所営業は、法律上「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設」の営業です。別荘の貸出しが必ずこの区分になるわけではなく、間取りや定員に応じて旅館・ホテル営業との区分を保健所に確認します。

出典:住宅宿泊事業法 第2条第3項・第11条・第21条、観光庁 FAQ、旅館業法 第3条、長野県 旅館業法様式

民泊ができるのは、法律上の「住宅」に当たる家屋です。

ガイドラインは、少なくとも年1回以上居住に使う家屋は「随時居住」の家屋に当たり得るとし、例として「別荘等季節に応じて年数回程度利用している家屋」を挙げています。

一方で、居住の使用履歴が一切ない民泊専用の新築投資物件は、この「随時居住」の家屋には該当しないとしています。新築かどうかだけでなく、実態に応じて総合的に判断されます。貸すために新築する計画なら、設計を固める前に、どの許可で営業するかを保健所と相談しておきます。

公開データで見る白馬:民泊の届出0件、旅館業の許可1,307件

Hakuba Land が長野県の公開リストを集計したところ、白馬村の掲載件数は、営業中の民泊届出が0件、旅館業許可が1,307件でした。行政リスト上の件数で、すべてが営業中という意味ではありません。

長野県の公開リスト白馬村参考
民泊の届出(営業中、2026年8月31日時点)0件一覧全体で196件(長野市・松本市を含む)
旅館業の許可(2026年8月31日作成データ)1,307件同データで次に多い軽井沢町は549件
うち簡易宿所788件旅館・ホテル264件、旅館196件、ホテル59件

出典:長野県 住宅宿泊事業届出状況一覧、長野県 旅館業オープンデータ(旅館業データは長野市・松本市を含まない)。2026年10月26日に当編集部が集計。

同じデータで許可日が2025年の白馬村の施設は、旅館・ホテル営業145件、簡易宿所営業30件、旅館1件でした。2026年は8月31日までに旅館・ホテル営業34件、簡易宿所営業8件です。これらの件数は、個々の物件がどの種別に当たるかを決めるものではありません。間取りと定員を保健所に確認してください。

旅館業許可を取るには:購入・設計前に保健所と関係機関へ確認

旅館業の許可は、施設の構造設備が基準に合い、設置場所が適当かを保健所が審査します。長野県は、図面を見直せる段階で早めに保健所へ相談し、消防法・建築基準法・都市計画法も関係機関に確認するよう求めています。主な確認点は次のとおりです。

  1. 建築基準法:住宅からホテル・旅館(簡易宿所を含む)へ用途変更する床面積が200㎡を超えると建築確認が必要です。200㎡以下なら確認は不要ですが、基準への適合は必要です。2026年5月28日の国の通知は、許可時の書類として、200㎡超なら用途変更の確認済証、200㎡以下なら建築士による適合証明書を求めています。
  2. 客室の広さ:簡易宿所は客室の延床面積33㎡以上(定員10人未満で申請する場合は3.3㎡×定員以上)。このほか県条例の基準があります。
  3. 消防:許可申請には消防法令適合通知書の写しを付けます。最寄りの消防署に相談します。
  4. 立地:学校などの敷地の周囲おおむね100m以内では、その施設の清純な環境を著しく害するおそれがあると許可されないことがあります。申請時には周辺200m以内の見取図を出します。
  5. 村の開発条例:白馬村開発行為の調整等に関する条例の改正(2026年12月17日施行)により、ホテル・旅館・簡易宿所の建物で、(1) 施行区域が2,000㎡以上3,000㎡未満、または (2) 4階以上か地盤面からの高さ12m以上の事業にも、第8条などが適用されます(第6条の2。施行時に建築確認を受けているものを除く)。第8条は、開発行為への着手、または関係法令に基づく許可・認可の申請や届出の3か月前までに、計画について村長と協議するよう定めています。

出典:旅館業法 第3条、旅館業法施行令 第1条第2項、長野県 旅館業営業の許可関係、白馬村 開発行為の調整等に関する条例

許可のある宿を買う場合:営業の承継

建物を買っただけでは、旅館業の許可は引き継がれません。旅館業を譲り受ける場合は、譲渡人と譲受人がそろって知事の承認を受けると、譲受人が営業者の地位を承継します(旅館業法 第3条の2)。長野県の案内では、事業譲渡による承継の期限は「事業譲渡契約の効力が発生する前」で、過ぎると新規の許可が必要です。

Gemini株式会社の事例では、施設名「ペンション500マイル」で許可されていた簡易宿所営業について、大町保健所の承認(長野県大町保健所指令8大保第12-16号)を受け、Gemini株式会社が営業者の地位を承継しました。

この施設は現在、旅館業法の許可を受けた宿泊施設(簡易宿所営業)「500 MILES HAKUBA」です(公式サイト)。

営業種別の変更や施設の移転には新規の許可が必要です。改修を予定している場合は、扱いを事前に保健所に確認します。購入前には、許可証の写しと許可後の変更届の有無を売主に確認してください。

購入前に確認すること(よくある誤解)

  • 「民泊なら冬も貸せる」:指定区域では12月〜3月の営業が制限されます。例外に当てはまるかを含め、住所で確認してから収支を考えます。
  • 「法人が事業者なら、社員がいれば家主居住型になる」:事業者が法人の場合、役員や従業員が住宅にいても委託義務の対象です。ただし、事業者自身が住宅宿泊管理業の登録を持つ場合は委託義務はありません(ガイドライン)。
  • 「民泊から旅館業へは書類の切り替えだけ」:旅館業は別の許可で、建物の用途や消防設備の基準が変わります。
  • 宿泊税:民泊も旅館業も、白馬村の宿泊税の特別徴収義務者として登録が必要です(白馬村の宿泊税ガイド)。

物件探しから運営の準備まで

購入前に、区域・建物の用途・消防設備・承継の手続きを確認します。

Hakuba Land を運営する Gemini株式会社は宅地建物取引業者として、これらを関係機関や専門家と確認します。用途変更などの工事は、長期提携の建設業者が施工し、当社が調整します。他のオーナー様向けの運営管理のご相談も、お問い合わせで承ります(運営管理)。

土地や建物の一般的なルールは白馬の土地購入ガイド、海外から購入する方の手続きは外国人の白馬不動産購入ガイドにまとめています。

出典

2026年10月26日に長野県・白馬村・e-Gov・観光庁の資料で確認。区域や期間は改正されることがあるため、物件ごとに大町保健所などで最新の内容を確認してください。

よくある質問

民泊の「年180日」はどう数えますか?

毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までの1年間に、人を宿泊させた日数を数えます。正午から翌日正午までが1日で、1泊が1日です。上限は届出住宅ごとにかかり、年度の途中で事業者が代わってもカウントは引き継がれます。

白馬村の民泊の届出先と方法は?

物件の所在地を所管する長野県の保健福祉事務所(保健所)が届出先です。原則として観光庁の「民泊制度運営システム」から手続きし、消防法令適合通知書を添付します。

民泊で何人まで泊められますか?

観光庁のFAQでは、宿泊者1人あたり3.3㎡以上の床面積の確保が求められています。物件ごとの床面積の算定と定員は、届出前に保健所に確認してください。

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